ありがとう、のんちゃん。

ねこと日常

みなさんこんにちは、建築うさぎです。

2023年8月21日、我が家の16年生きたのんちゃんがその命を終えました。

リンパ腫でなかなか抗がん剤が効かず、ご飯も食べなくなり眠るように亡くなりました。

猫といえど我が家では家族、みなさまもきっと同じ思いで接していると思います。
今回はのんちゃんの治療に使われた抗がん剤について調べてみました、現在治療中の方やこれから起こりうる可能性を小さくして回復の可能性を大きくできればと思います。

「がん」(リンパ腫)の予兆。

「がん」の予兆は便からわかりました。

我が家では多頭飼いなのでトイレを猫の数だけ置いていません、はじめはみんなの軟便から始まりました。
引越ししてから猫たちのトイレに緩い便が出るようになり、引越しでのストレスか新しいところにまだ馴染めていないのかと思っていました。
しばらくすると軟便もおさまり普通に過ごしていたのですが、のんちゃんだけまだ軟便が続いていました。

あまりに長く続いていたので動物病院で診察をしたところ、腸のところに腫瘍のような影が見えると言われ検査することになり、「がん」リンパ腫であることがわかりました。

猫のリンパ腫

リンパ腫はいわゆる血液の『がん』で、白血球の中のリンパ球とよばれる細胞が、がん化したものです。猫の腫瘍としては発生率が高く、年間約10万匹と言われています。

リンパ腫には『消化器型』『縦隔型』『多中心型』『節外型』などの種類に分けられ、その中でも『消化器型』が猫に最も多く見られます。

のんちゃんも腸に出来たリンパ腫なので『消化器型』に分類されます。

猫の『がん』の約3割がリンパ腫とされ、決して珍しい病気ではありませんが、リンパ腫の多くは悪性で治療しなければ早期に死に至る病です。

しかし、他の『がん』と違い治療法は抗がん剤をメインとしているので、早期発見する事が何よりも大事になってきます。

抗がん剤を使えば一時的な回復も期待でき、半年から9ヶ月そして、約20%は一年以上延命する事が確認されています。
早期発見、早期治療が求められる病気なのです。

リンパ腫の悪性の度合いの分類

リンパ腫の悪性度合いは組織学的な病態から、3系統に分けることができます。この分類によって、どれだけ早く腫瘍が成長し、他の臓器にも影響を及ぼすか、という点に注目したものです。

  • 高い悪性度
    非常に一般的で、突然発症、急速に症状が進行する場合。
  • 低い悪性度
    消化管型のリンパ腫で多く見られ、慢性的に進行する場合。
  • 中等度の悪性度
    上記2つのの中間に位置。

リンパ腫の種類

リンパ腫は体のどこにでも発症する可能性のある病気です。リンパ球やリンパ組織は体の至る所に存在しているので、体のどの部分から発生するかによって、以下の3種類に分類されます。

発症しやすい年齢など必ずしも同じという事はありません。

1.多中心型

多中心型は体の各部のリンパ節や器官に腫瘍が発生する病気です。

猫には珍しいタイプでFeLV感染が関係していると言われており、発症平均年齢は約4歳と若く、FeLV陽性である場合は特に予後が悪いです主な症状は以下の通りです。

  • 食欲不振
  • 体重の減少
  • 衰弱
  • 腫瘍が発生した器官による症状

などがみられます。

2.消化管型

消化管型は体の消化器系(腸、腸管膜リンパ節)、などに腫瘍が発生するものです。高齢の猫のリンパ腫で一番多いタイプです。

低い悪性度の猫に多く見られるタイプであり、FeLVとの関連性は低いといわれています。
主な症状は以下の通りです。

  • 食欲不振
  • 体重の減少
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 衰弱
  • 脱水症状

などがみられます。

3.縦隔型(胸のリンパ節に発生)

胸腺や胸のリンパ節を中心に腫瘍が発生する病気です。
発症平均年齢は3歳程度で、FeLVとの関連があると言われています
主な症状は以下の通りです。

  • 呼吸困難
  • 食欲不振
  • 体重の減少
  • 心音と肺音の異常
  • 胸水
  • ホルネル症候群(眼が落ち窪んだり、瞬膜が出たりする眼の症状)
4.その他

その他に、鼻腔型眼内型腎臓型、中枢神経型皮膚型抹消リンパ節型などが挙げられます。

 

リンパ腫の治療法

リンパ腫の治療の中心は化学療法(抗がん剤治療)ですが、例外的に一部に限定されたリンパ腫である場合には、放射線療法や外科的に手術による切治療除が施されます。

化学療法の流れは、リンパ腫の治療は「寛解」→「再燃」→「再寛解」のサイクルという4つの過程があります。

治療前に状態の悪かった動物が、抗がん剤治療後には見違えるように元気になり、あたかも完治したかのように見えます。この状態を「寛解」と言います。

主に行われている治療法は①COP②CHOP③UM-Wというの3つの治療法です。
のんちゃんの治療法に使われたのは③UM-Wという治療法で、ウィスコンシン大学マディソン校で開発されたプロトコール。②CHOPにL-アスパラギナーゼを追加して、維持療法として用いられるプロトコールです。

寛解率、生存期間中央値(多中心型リンパ腫では80-90%で寛解、生存期間中央値は約1年)はCHOPプロトコールと同様です。
全25週のプロトコールとなるため、UW25とも呼ばれ、副作用等により途中で中止せざるを得ない場合もあります。

大学や専門病院では、これらを基礎にした治療成績が良い独自のプロトコールを作成していることが多く、実際の治療とは異なる部分があると思いますのでご了承下さい)

のんちゃんのリンパ腫の化学療法で使用された主な薬剤

UW25は、薬剤の効果が落ちないように、5種類の抗がん剤を順番に使用します。

第9週まではほぼ毎週投与、その後は2週間に1回投与します。
第4週までのプレドニゾロン(ステロイド)は毎日服用。
第4週に登場するドキソルビシンがもっとも効果の強い薬です。

第25週目に再発が認められなければ、治療は終了となります。

  • 第1週
    L-アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、プレドニゾロン
  • 第2週
    サイクロフォスファミド、プレドニゾロン
  • 第3週
    ビンクリスチン、プレドニゾロン
  • 第4週
    ドキソルビシン、プレドニゾロン
  • 第5週
    血液検査のみ
  • 第6週
    ビンクリスチン
  • 第7週
    サイクロフォスファミド
  • 第8週
    ビンクリスチン
  • 第9週
    ドキソルビシン
  • 第11週
    ビンクリスチン
  • 第13週
    サイクロフォスファミド
  • 第15週
    ビンクリスチン
  • 第17週
    ドキソルビシン
  • 第19週
    ビンクリスチン
  • 第21週
    サイクロフォスファミド
  • 第23週
    ビンクリスチン
  • 第25週
    ドキソルビシン

ロイナーゼ(L-アスパラギナーゼ)・・・1回目に投与

のんちゃんの治療に初めて打った抗がん剤。
L-アスパラギンを分解する酵素で、急性白血病や悪性リンパ腫の治療に用いられる薬。L-アスパラギンはタンパク質を構成するアミノ酸の一種で、正常細胞では細胞内でL-アスパラギンを合成するので、細胞外から取り込む必要がありません。しかし、増殖の速いがん細胞では、細胞内で合成されるL-アスパラギンだけでは必要量を補えないので、細胞外のL-アスパラギンを取り込む必要があります。ロイナーゼは細胞外のL-アスパラギンを分解するため、がん細胞は細胞外からL-アスパラギンを取り込めなくなります。その結果、がん細胞のタンパク質合成が阻害され、増殖が停止します。
リンパ腫の細胞が必要とする栄養(L-アスパラギン)を分解することで抗癌剤としての効果があり、筋肉注射によって投与します。

エンドキサン(サイクロフォスファミド)・・・2回目に投与

世界中で最もよく用いられている抗がん剤の一つで、ナイトロジェン・マスタードの毒性を抑えた薬として40年以上前に開発されました。小細胞肺がんに対するCAV療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン)や悪性リンパ腫に対するCHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)などの中心薬剤として使われるほか、単独で用いられることもあります。リンパ腫には低い効果と言われている抗癌剤です。内服薬も存在しており、点滴薬を使用した場合の方が、食欲不振、嘔吐、下痢、などの副作用が出やすいと言われています。

内服薬を処方され、確実に飲ませられない場合には、通院して投薬を病院で行います。

オンコビン(ビンクリスチン)・・・3回目に投与

「ツルニチニチソウ」という植物に含まれる成分から生成された抗がん剤。細胞分裂の際に、染色体を新しい細胞に移す役目をする微小管の働きを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。多剤との併用によりさまざまながん治療に用いられており、とくに小児がんでは、最もよく使用されている薬のひとつとなっています。
リンパ腫に対して、サイクロフォスファミドよりも効果が高い抗癌剤で、点滴が必要です。食欲不振や便秘などの副作用が見られることがあります。

アドリアシン(ドキソルビシン)・・・4回目に投与

がん細胞のDNAと結合し、DNA合成酵素及びRNA合成酵素の反応を阻害する作用があり、DNAとRNA両方の生合成を抑制させ、がん細胞の増殖を抑える効果があり、結果アポトーシス(細胞の自然死)を誘導していきます。
リンパ腫で非常に効果が高いと言われている抗癌剤で、数週間毎に静脈から投薬する為、通院して点滴を流してもらう、という形が取られます。副作用に食欲不振があり、比較的高価な治療薬です。

プレドニゾロン(毎日投与)

副腎皮質ホルモンであり、抗炎症作用や免疫抑制の働きがあります。副作用が少なくリンパ球に反応する為、リンパ腫の治療で使用され、安価な内服薬で投薬可能です。

単独で使ったり、他の抗癌剤と併用して、毎日、或いは一日おき、などの飲み方を指示されます。

レスキュープロトコル

リンパ腫が再燃(再発)して、今までの薬剤の効果がない場合に検討されるプロトコールで、基本は3週間を1サイクルとしたものです。

のんちゃんはUW25プロトコルでは効果がなかったため、CCNUという抗がん剤を使用しました。
ニトロソウレア系アルキル化剤であるCCNUはリンパ腫、リンパ腫のレスキュー療法、肥満細胞腫、組織球肉腫などで有効性が示唆されている。

しかし、この治療法も効果はなく、しばらくして胸水になり毎日胸の水を取るようになり最終的にはご飯を食べなくなり亡くなりました。

猫が悪性リンパ腫になった時の余命・生存率

全く治療をしなかった場合でも、4週間程度の生存率と言われています。
治療を行った場合、生存率は明らかに延びることが期待されます。

しかし、治療法やリンパ腫の種類によって、当然、その数字は異なりますが、最長で2年程度の延命も可能です。

のんちゃんの場合治療を行いましたが薬の効果は期待できず、診断されてから約1か月で亡くなりました。
生存率はあくまでも確率の問題です、必ずしも延命できるということではないことを理解してください。ですが早期発見が鍵を握ることは間違いありません、みなさんの猫ちゃんの体調管理をしっかりとして病気をすぐに見つけられることが重要になります。

リンパ腫の種類による生存日数

リンパ腫によっても生存期間が異なります、全ての猫が同じ治療をしているわけではないのであくまでも参考にしてください。

  • 多中心型:平均生存期間 約5ヶ月
  • 消化管型:(低い悪性度)生存期間 約2年
    (高い悪性度)生存期間 3ヶ月
  • 胸腺縦隔型:生存期間 約2〜3ヶ月
  • 鼻腔型:生存期間 約1年3ヶ月
  • 腎臓型:生存期間 約3〜6ヶ月(尿毒症の症状にもよる)
  • 脊髄:生存期間 5ヶ月以下

まとめ

猫のリンパ腫は珍しくない病気です。しかしながらそのすべてが悪性なので発症してしまうととても悲しい事になってしまいます。
何度も言いますが早期発見がとても大事になってきます、月一の健康診断や食事の様子、トイレの様子など細かなところからわかる場合もありますので注意して観察してみてください。
猫も人間と同じように病気にかかります、長く一緒に生活できるように最善を尽くしてあげてください。